漢方

苓桂甘棗湯 (りょうけいかんそうとう)

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不安感が非常に強く、人前に出ると緊張してドキドキしたり、ストレスが溜まりやすく イライラしやすい神経質な方の精神不安、動悸などに用いる。
へそ下の動悸が第一目標で、これが時に発作的に突き上げたり、胸中が詰まるように感 じたり、腹痛を伴うこともある。
上記の病気を漢方では奔豚気病(ほんとんきびょう)という。 現代医学でいうヒステリー性の心悸亢進に相当するもので、発作的に下腹部から胸に衝 き上げてくる激しい動悸(あるいは腹痛)で、胸腹部を子豚が走り回るような感覚があ ることから、このように呼ばれている。驚き・恐れなどの不安に敏感に反応している結果起きると考えられる。
このような発作性の心悸亢進(動悸、衝逆)を訴えることから、パニック障害などの不安神経症、神経性心悸亢進症、心臓神経症、ヒステリー、神経衰弱、ノイローゼなどの 精神神経疾患に応用されている。
また、胃内停水や消化管の痛みや痙攣を目標に消化器疾患(器質的障害ではなく機能的障害) にも応用されている。

【処方構成】4味
桂皮(ケイヒ)・甘草(カンゾウ)の組み合わせで気の上衝(過剰にのぼせ上がること)を引き下げ、大棗(タイソウ)は筋肉の緊張、痙攣を主治し、咳、上気、奔豚、煩躁、胸痛、腹痛を治す。茯苓(ブクリョウ)には利水、鎮静、強心の働きがあり、大棗と共に桂皮・甘草を助けて、気の上衝を鎮め、水毒を取り除く。
北九州の漢方相談薬局 大門薬品 薬剤師 篠原艶子

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