漢方

麻子仁丸(ましにんがん)慢性便秘に

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麻子仁丸(ましにんがん)
高齢者や病後など体力中等度あるいはやや低下して、排便回数が減り、便が硬く、コロコロした乾燥便が出る方に用いられます。
 
麻子仁丸は適応の病態は腸内乾燥型の便秘である。高齢者や痩せ型の方、発熱・発汗などにより体内の水分が一時的に不足した方は、腸内が乾燥し、水分が少なくなって便秘をしやすくなる。あるいは気虚(アトニー体質等)により腸の蠕動運動が低下すると、腸管から水分が吸収され便が固まり便秘となる。そのような場合に適しています。
 
麻子仁丸は緩和な下剤で、高齢者、産後、病後などの腸燥便秘、習慣性便秘、腸胃燥熱による痔核、肛門術後の便秘、強い下剤では腹が痛んで下りすぎるもの等に応用される。服用法に関して、条文に「知るを以って度と為す(大便が快通する程度に加減して用いる)」とあります。
 
麻子仁丸はほとんど補益の効能がないので、気虚タイプの弛緩性便秘には、六君子湯や補中益気湯等とともに、もともとの体質が陰虚や血虚のタイプには陰や血を補う薬とともに用いるとよい。
 
【処方構成と効能】6味 麻子仁(マシニン)は杏仁(キョウニン)とともに潤腸通便に働き、杏仁はまた降肺気(肺と大腸は表裏関係)により大腸を通じる。芍薬(シャクヤク)は補血滋潤し麻子仁と杏仁を補佐する。大黄(ダイオウ)・枳実(キジツ)・厚朴(コウボク)は小承気湯で、大黄が瀉下泄熱し、枳実・厚朴の二味で腸管の蠕動を強め、大黄の瀉下作用を助ける。全体では、通便して正気を傷つけない。
 
北九州の漢方相談薬局 大門薬品 薬剤師 篠原艶子
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