【薬草歳時記】白梅のあと紅梅の深空あり 龍太

2015年03月22日

白梅のあと紅梅の深空あり 飯田龍太

冷たい空気の中に白梅が咲き、そして紅梅が澄み渡った深空に色鮮やかに咲いている。
梅の花の白と紅色、そして空の青色が織りなす早春のすがすがしさを感じます。
飯田龍太は昭和を代表する俳人で掲載の句は、龍太の代表句のひとつです。

梅は百花の魁(さきがけ)といわれています。果実は梅干しや梅酒として親しまれ、昔は万能薬でもありました。
梅の原産地は中国の山岳地帯といわれ、日本には西暦550年頃の欽明天皇のときに呉の僧侶が奈良の都にもたらしたと伝えられています。その際の土産の中に梅の花をあしらった衣装があり、これが評判になって流行したのが呉服の語源とか。

梅は古くから薬用として重んじられ、金匱要略には回虫駆除や解熱・鎮咳に効果のある清涼収斂剤として烏梅丹(うばいたん)の処方を載せています。これは未熟な梅の実を煤煙でいぶして燻製にし、これを乾燥したものです。梅肉エキスはこの処方をもとに考案されたもので青梅をすりおろしてその果汁を土鍋に入れて、とろ火で煮詰めたもので、下痢や消化不良に効きます。